全国でクマによる被害が相次いでいます。
クマ被害が話題にあがることも多いのではないでしょうか?
クマ被害が激増している理由はなんでしょうか?
また、クマを駆除する度に大量の苦情があるそうです。
クマ駆除反対の苦情内容にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、2023年のクマ被害の件数とクマが激増している理由、駆除反対の苦情内容について調査していきます。
2023年のクマ被害の件数は?
2023年はクマ被害が多い気がするよね?
どれくらいの被害があったんだろう?
2023年のクマ被害の件数は180件(環境省)
2023年のクマ被害の件数は環境省の調べによると4月から10月末時点の7カ月で180件に及ぶことがわかりました。
これまで、クマに被害を受けた人の人数は2020年の158人が最多でしたが軽く上回っていますね。
また、クマ被害が最も多かったのは秋田で61人、次いで岩手42人、福島13人と、東北を中心に被害が目立っている状況です。
2023年現在、5名がクマの犠牲になり亡くなっています。
日本に生息しているクマ
世界には8種類のクマがいるんだよね?
日本にいるクマはどんな種類なんだろう?
ヒグマ・ツキノワグマ
現在、日本に生息しているクマは2種類でヒグマ(エゾヒグマ)とツキノワグマ(ニホンツキノワグマ)です。
ヒグマ(エゾヒグマ)
生息域 | 日本では北海道のみに生息 |
個体数 | 1,170頭(推計)近年増加傾向 |
体長 | メス約1.6~1.8m・オス約1.9~2.3m |
体重 | メス約150~160㎏・オス約120~250㎏ |
活動期間 | 春~初冬 |
食性 | 雑食性 |
ツキノワグマ(ニホンツキノワグマ)
生息域 | 日本では本州及び四国 |
個体数 | 不明、2010年時点の推計16,000~26,000頭 |
体長 | 100~150㎝ |
体重 | メス約40~80㎏・オス約60~120㎏ |
活動期間 | 春~初冬 |
食性 | 雑食性 |
クマ被害が激増している理由
山に食べ物がないからじゃないの?
どうやら、それだけじゃないみたいだよ。
- 山で食べ物が不足している
- クマが増えている
- 人間が減っている
- 肉食化したクマがいる
- クマが人を恐れない
山で食べ物が不足している
クマのエサとなるドングリが2023年は全国的に凶作傾向にあり、北海道ではドングリ以外にも山ブドウやコクワも不作傾向にあるようです。
また、近年問題となっているエゾシカの存在もくまのエサ不足を深刻にしています。
圧倒的な頭数でクマのエサまでも食べつくしてしまう勢いです。
クマが増えている
2023年はクマのエサ不足が深刻ですが、反対に2022年は豊作でした。
クマの個体数も多くなっており、今年2023年はベビーブームと言われています。
秋田県では、2016年までクマの個体数は1000頭前後だと推測していました。
しかし、2020年度のくまの推定生息数は4400頭と推測されています。
わずか5年足らずで4倍のクマの推定生息数には驚きますよね。
実際には、クマの生息数を過小評価してきた結果であり、クマの頭数はさらに多い可能性も指摘されています。
人間が減っている
現在、首都圏以外の地域では人口の減少が大きな問題となっています。
クマの出没地域の多くは、人口減少が深刻な過疎地域です。
人間の縄張りが狭まり、反対にクマの行動範囲が広がっているとも考えられます。
肉食化したくまがいる
クマが増えているという問題もありますが、エゾシカの増加も深刻な問題です。
日本に生息しているヒグマとツキノワグマですが、本来であれば草食寄りの雑食なのです。
しかし、クマのエサをエゾシカが先に食べてしまい、エゾシカの死骸をクマが食べることでクマの肉食化がすすんでいるのでは?との懸念もあります。
クマが人を恐れない
従来、クマは臆病な動物で、人の気配や声、音がする時点でよっぽどのことがない限り人の縄張りには近付かないというイメージがありました。
しかし、近年は人を恐れない『新世代クマ』と呼ばれるクマが度々出没しています。
ハンターの高齢化、深刻な人材不足、高齢化による耕作放棄地の増加などが原因になっていると考えられています。
*11月10日、環境省は23年度補正予算案にクマ対策の事業費7,300万円の計上を閣議決定しました。
駆除反対の苦情内容
過去最多のクマ被害が問題になっていますが、クマの駆除に対して多くの苦情が寄せられているそうです。
クマ駆除反対の苦情内容にはどんなものがあるのでしょうか?
- 殺す必要はない!麻酔銃で眠らせて山に返せばいい。
- 人間がクマの生活を脅かしているのだから、クマが人里に出没するのは仕方ない。
- 山にどんぐりをまけばいい。(エサを置きに行く)
- 保護して動物園で飼えばいい。
- 殺さず共生する努力をするべき。
殺す必要はない!麻酔銃で眠らせて山に返せばいい。
漫画やドラマの影響で、麻酔銃は安全な場所から打って命中すれば即座に眠るようなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
しかし、実際は違います。
そもそも、麻酔銃は動物に薬を打てる資格のある人(獣医師)しか打てません。
しかも、適切な場所に命中しなければ効果はなく、命中しても眠るまで20~30分は時間がかかります。
また、個体により体重も大きく異なる大型動物への効果は確かではなく、射程距離もピストル型で15m、ライフル型で40mと決して安全とは言えません。
人間がクマの生活を脅かしているのだから、クマが人里に出没するのは仕方ない。
山を削って住んでいる人間が悪いという主張です。
エサ不足になっているのは人間のせいと思っている人もいるのかもしれませんね。
しかし、これを一番その恩恵に預かっている安全圏から主張するのはおかしいのではないでしょうか?
クマの生息域で生活している人々は、長年自然や動物と向き合いながら生活をしています。
まさか、人里に出没するのは仕方ない=人が襲われても仕方ないとは思わないですよね?
山にどんぐりをまけばいい。(エサを置きに行く)
エサ不足なのであれば、山にエサをまきに行けばいいという苦情もあるそうです。
誰が、どのように運ぶのでしょうか?
クマは野生動物です。
また、人間がエサを管理し、エサに困らなくなれば個体数はさらに増加するでしょう。
その後のことを考えている主張だとは思えません。
保護して動物園で飼えばいい。
実際に動物園で野生動物を保護し、飼育するケースはあります。
北海道では、旭山動物園、のぼりべつくま牧場などで小クマが保護され飼育されています。
しかし、人に危害を加えるクマや大人のクマの保護は難しいうえに、2023年だけで実際の被害が180件、出没件数は14,000件となるクマを全て保護しろというのはとても現実的ではないですよね。
殺さず共生する努力をするべき。
クマを駆除したくてしている人はいるのでしょうか?
生きるため、守るための駆除がほぼ全てだと思います。
電気柵の設置、クマよけのベル、クマよけスプレー、畑や家の手入れなどこれまでにも沢山の共生する努力はされています。
自然、野生動物との共生は人類が努力し続けるべき課題であると感じますが、一度でも人を襲ったクマを放置することは現実的に考えて無理です。
多くの苦情はクマに対する愛情からでしょう。
しかし、駆除に反対する声のほぼ全てが、クマが出没しない地域からの苦情です。
実際に、自分が、自分の身内がクマに遭遇し被害を受けたら感じることも変わるのではないでしょうか?
クマ被害激増と駆除反対の声に対するSNSの声
かわいいクマのキャラクターを見たり、子クマを見ると駆除と言う言葉に衝撃を受け反対してしまう気持ちも理解は出来ます。
しかし、実際に普通に生活している日常にクマが現れ襲われて大怪我をしたり命を失ってしまう人がいる状況を受け入れるわけにはいきませんよね。
まとめ
この記事では、2023年のクマ被害の件数とクマが激増している理由、駆除反対の苦情内容について調査してきました。
クマ被害増加について様々な要因があることがわかりました。
クマ駆除反対についてもクマへの愛情からであることは理解できますが、事態は深刻です。
その地域で実際に暮らしている人々の安全を保証するために、ハンターの方々は命がけで駆除している現実があります。
クマの冬眠は12月初旬です、これ以上大きな被害が出ないことを願います。